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グランディアをクリアしました!


プレイ時間は最終セーブデータで39時間46分。
主人公ジャスティンの最終レベルは37でした。

絵作り、雰囲気作り、シーンの回し方や全体の展開、音楽やキャラの作りまで
世界名作劇場やラピュタを見ているような王道展開で
実にすがすがしいプレイフィール!
「忘れられない冒険になる」のキャッチコピーにウソ偽りなしでした。

抜群に丁寧なイベントシーン

もうね、このゲームの素晴らしいところは一にも二にも
ひとつ一つのイベントシーンが馬鹿みたいに丁寧に作られていることですよ。
どのイベントシーンひとつとっても外れ無し。
全く外さない!チラッとも外さないの!
ど真ん中ストライクのイベントシーンが続くもんだから驚きました。
これがグランディア!歴史に残る映画があるように、歴史に残るRPGがある!

特に秀逸なのがそのセリフ回しです。
ぶっちゃけシナリオの展開で度肝を抜くようなどんでん返しはありません。
いや、そりゃ、驚くような展開やドキドキするような展開はあるんですが
ビックリするような展開が売りになっているようなゲームではないんです。
そうではなくすごいのが、ツクールで俺が考えたようなありふれた展開でも
きっちりイベントシーンをまとめてくるその技量ですよ。
もうマジにテキストが素晴らしい。やろうと思ってできるもんじゃないです!
優れたムービーシーンやカメラワークが無くっても、テキストひとつひとつの
丁寧さで感動をかっさらっていくその手腕!マジに感動します。

ここからは延々と私がグランディアで感動したシーンを
ネタバレをガン無視して垂れ流していきます!

まず旅立ちで泣く!

もうまず序盤も序盤ですが
船に乗って新世界に旅立つシーンが最初っから素晴らしい!

いやもう展開なんてベタ中のベタなんですよ。
少年が母親に黙って家を抜け出すも、母親はそれを見通していて、
少年の荷物の中にそっと手紙が差し込まれているという例のやつだ!
それをちゃーんとやる。
お前らはこういうのが好きなんだろ?ってのをちゃんと出す!
いきなり泣きましたよ俺なんて人は!
おいおいマジかよ、グランディアやべーぞってなりますよ。
こ、これがグランディア!なんて優等生なんだ!
しょっぱなからきっちり的に当ててくる!

さらにスーとの別れで泣く!

冒険中盤でスーと別れることになる展開には驚かされました。
そりゃそうでしょう、スーは最後まで固定メンバーだと思うでしょ!

ところがどっこい女の子。ゲーム序盤から丁寧に
ジャスティンとスーの年齢差を描いていたのがここで生きる!
すっごいいじらしいんですよ。小さな女の子がね、
ジャスティンについていきたいんですよ。

でもわかってる!船出の際にジャスティンに連れてゆけないと言われ、
それでもなお着いてきた無知な自分ではもはやなくなっている!
幾多の冒険をともに潜り抜け、危険を冒してきた今ならよくわかる!
自分の体力、強さではジャスティンについてゆけないことが
分かってしまった!でもだからこそジャスティンとは笑顔で別れたいし、
ジャスティンには自分の笑顔を覚えておいてもらいたい!

そうした思いで気丈にふるまっていたスーが、自分の心の内を吐露し、
泣き崩れ、それでもなお笑顔で故郷の村に去っていくシーンはマジで感動もの。
こうした別れがあるからこそ、終盤でジャスティンが絶望し落ち込んだ時に
スーが彼を励ましに来る流れには「これしかない展開!」と驚かされました。
ホントちゃんとしてる。こんなにちゃんとしてるシナリオそうそうないよ!

次はジールパドン地下遺跡からの展開に燃える!

ジャスティンがひたすらに冒険を追い求めていた序盤、中盤から
大きく物語がクライマックスに向けて展開する転換点が
ジールパドン地下遺跡からの展開です。これがまた熱い!
どう転んでいくか読めなかったですし、見せ方、演出、展開すべて最高。
単体のイベントでなく、一連の流れとしてここは素晴らしかったです。

地下遺跡でのゴーレム出現から空中戦艦にさらわれるフィーナ。
(この飛び立つ空中戦艦を見つめるカットがまた良い!)
それを追いかけるジャスティン!空中戦艦への潜入!
幾多の戦闘を経て、瓦解する空中戦艦!崩れゆく空中戦艦を
駆け抜けるジャスティン!散り散りになる仲間たち!
そうしてやっとたどり着いた初バーン戦!
目を見張るバーンの異形っぷり、狂いっぷり!!!
バーンとの駆け引きの果てに空中戦艦から落下するジャスティン!
それを追いかけ飛び降りるフィーナ!
そしてついに開眼するフィーナの光翼人化!!!

いやもう文字起こししているだけでも熱くなる。
ギュッと濃縮された情報が丁寧にコーティングされて
次から次へと提供される多幸感たるやもうたまりませんよ。
この一連のイベントを体験するためだけにでも
グランディアはプレイする価値があると思います。

そしてミューレンとリーンのすれ違いで胸を痛める!

ガイア戦を前にしたミューレンとリーンのやりとりも見事です。

すっごくシンプルなイベントなんですよ。
場面の転換もないし、単なる言葉のやり取りでしかない。
でもそこをすごく丁寧に描き切るのがグランディア。
ジャスティンとフィーナ、ミューレンとリーンという2組の対比を
きれいに描写しつつ、ミューレンの意思とリーンの想いのすれ違いを
十二分に描写しきる言葉運びは実に素晴らしい。
素晴らしいだけに本当に胸が締め付けられます。

理想の実現に向け邁進するミューレンと、
一人の個人としてミューレンを慕うリーン。
決してミューレンはリーンが光翼人だという理由だけで
彼女を傍に置いているわけではないんです。そうではないんですが、
やはりジャスティンとフィーナの関係性とは違う。
それは光翼人が過去に果たした役割、果たすべき役割を
ミューレンが過大に評価し、縛られていたからなのでしょう。

ミューレンはリーンに対し
「光翼人の呪縛から解き放ってやりたい」と言っていましたが
呪縛にとらわれていたのは外ならぬミューレン自身、
そしてリーンを縛っていたのもミューレン自身だったのではなかったか。
ミューレンにとってそれは当たり前のことであり、
世界を救うためには仕方のないことだったのでしょう。
「自分こそがリーンを縛っている」という自覚が無いあたりに
ミューレンが愚直であるがゆえの悲しさが募ります。
ミューレンが目指すところは何一つ間違っていないんですよね。
だからこそジャスティンとフィーナの絆を見たリーンとの
すれ違いが生じてしまう。それがとても切ない。
グランディアはこのすれ違いをプレイヤーが気づけるよう、
言葉にせず、丁寧に会話劇で描写するんです。
声優の演技も含めてこのイベントは本当によくできていました。

最後にエンディングで泣く!

その後のリーンの悲壮な決意、蒸気砲での決死の行動も含めて、
終盤のリーン周りのイベントはマジで珠玉です。

極めつけはエンディングのリーン。マジで完璧でした。
このゲームで誰が死ぬんだよ!と思いながらプレイしていただけに、
読める展開ではありました。そうなるだろうな、
そうならなきゃおかしいなと思ってプレイしていたのは事実。
それをね、直球で描いて、描き切って演出して
喝采を得られるこのゲーム!マジですごいですよ。
最終的にスーで締めるところも含めて、よくできすぎてると思いました。
もう何も言うことはない!

ちょっと残念な戦闘システムとバランス調整

そんなグランディア。
イベントシーンは本当によくできているのですが、
一方で戦闘システムとそのバランスはやや大味な印象でした。

クロノトリガーのATB2をベースに、敵味方のキャラクタが移動する時間や、
戦闘モーション中にも時間が経過するようにした戦闘システムなんですが、
ダメージが加わると一定時間ウェイトするため、プレイヤーとしては
とにかく行動速度を上げて敵に対して全体攻撃を叩き込みまくると
相手に全くターンが回らずに倒せてしまうんですね。
そうなるともうボス戦が強力な全体攻撃を順番にブッパしまくる
雑な戦いになっちゃうんですよ。で、ぶっちゃけそれで勝てちゃう。
どっかで「通用しねえ!」ってなるかな?と思ってましたが、ならなかった。 

もう完璧に倒したと思ったラスボスがいきなり変身したのにはビビりましたが、
そのラスボスも行動力をアイテムでドーピングしたパーティで
通常攻撃タコ殴りすると相手のターンが回ることなく倒せちゃう。
味方キャラ4人に囲まれてボコボコに殴られるラスボス!
結局何もすることなく倒れてゆくラスボス!

ゲームはシナリオ、戦闘、システム面も全部合わせての総合的な体験として
評価されるべきだと思っているんですが、
その観点ではちょっと残念に思ったのは事実です。
もう少しバランスが辛口だったら違ったのかもしれませんが、
まぁ、その調整って難しいですよね…。
脱落者を出させにくいバランスになっていたのは事実ですし。
シナリオ面、イベント面が完璧だっただけに、もう一歩期待してしまう。



戦闘面での残念さはあるとはいえ
シナリオ、イベント面はもうほんとマジで最高傑作でした。
マジで何度も泣きました。こんなゲーム他にないぞ!
未プレイの方はぜひプレイしてみてください。これはやったほうがいいです。
完璧にネタバレしきってしまった後に
未プレイの人はやれも何も無いだろうという気はしないでもないですが。

次はリメイク聖剣伝説3をプレイします!

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