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moonをクリアしました!


プレイ時間は20時間弱。最終ステータスはLv.29でした。

名前は知ってる。「伝説のアンチRPG」らしいということも知ってる。
でも実際どーいうゲームなのかは全然知らない。
そんな中でものすごく期待値をあげてプレイしました。
今なら言えます。「伝説の」アンチRPGというフレーズに偽りなし、と!
それは、いい意味でも、ちょっと残念な意味でも、です。

何すりゃいいか分からないのが苦痛じゃない絶妙さ

まず、moonをプレイする中で強く感じたのはその謎解き難易度の絶妙さ!
ぶっちゃけこのゲーム、結構な難易度の謎解きを
かなり投げやりに放り投げてくるんです。
お決まりのレールや定石なんてまるっと無視してやりたい放題に
変なキャラやらオブジェクトやらをぶん投げまくってくる!

ロケットの素材集めがその最たるものだと思いますが、
まず何を集めりゃいいのか分からない。そのうえそいつが
どこにあるのかも分からないと来たもんだ!

何にもわからないもんだからとりあえず歩き回るしかないんですが、
意外にも歩き回っていると、結構いろんなイベントにぶち当たるんですね。
もう全然なーんにもロケットとは関係ない人のイベントや、
モンスターの救出イベント。そういうのをちょっとずつこなしていくと、
フッとヒントが拾えたりするんです。
そういう情報の積み重ねで、実は過去に拾っていた意味不明なアイテムが
重要なヒントだったことに気づけたりして、芋づる式に素材が集まってゆく!

謎解きも草の根式で、もうほんとにあっちこっち歩き回って、
色んな所でけっこうな情報量のヒントを回収して、
当然覚えられないもんだからそれを実際にプレイヤーがメモして、
少しずつそれを解読して、仮説を立てて、その仮説に従って
ゲーム内でトライ&エラーして解いていく骨太スタイル!
私はSwitchのスクリーンショット機能を活用できたので
メモの数は少なくて済みましたが、
当時のプレイヤーはマジでつらかったと思います。
ただ、それでも攻略wikiをみようかなぁと挫折しそうになったころで、
ちょうどよく正解を導けるようなヒントが出てきて閃いたりするから面白い。

フィールドの狭さも絶妙で、
ホントにあっちこっちをウロウロ行ったり来たりしてたら
必ずなんかのイベントにヒットする。無駄足ということがありませんでした。
必ず何かにぶちあたるもんだから、行き詰ったと感じることも無かったし
何すりゃいいのか分からないんだけど、それを苦痛に感じませんでした。
もうホント絶妙なバランスだと思います。
狙ってこれを実現できているのだとすれば、これはマジでスゴイ。

結局私が攻略wikiを一度も見ずに全てのモンスターをキャッチして、
レベルを29まで上げてエンディングまで到達できたのは
このゲームの謎解きバランスが最高によくとられていたが故だと思います。

キャラとBGMの魅力でストレスを減らす!

さらにこのゲームがすごいのは、探索と謎解きが主体のゲームで、
ストレスを感じさせない仕組みを二重三重に用意しているところです。

何と言ってもその独特な世界観は素晴らしく丁寧にまとまっていて
クリアした今となっては全てのキャラクターがマジに愛おしい。
ありきたりで通り一辺倒なメッセージは一つもなく、それぞれが
想像もしない、自分勝手なセリフでプレイヤーに語り掛けてくるんです。

どうしたってRPGにおけるNPCのセリフって
その世界を表現するためのツールだから、
世界がどういう状況になっているかをプレイヤーに伝えるために、
大きく一つの方向を向かざるをえない。
プレイヤーにとってはある程度予想できてしまうような
予定調和のセリフに陥りがちだと思います。

そこへきてmoonはもうホントにみんなが自分勝手。
予定調和なんてぜーんぜん無視。
それぞれがそれぞれに思うがままに生き、活動し、喋り倒すもんだから、
それぞれのキャラクターの深みを意識せざるをえないし、
どんどん好きになってゆく。色んなキャラクタにどんどん話しかけたくなるし
同じキャラクタにだって何度も何度も話しかけたくなる!
あっちへ行ったりこっちへ行ったり、
またそっちに戻ったりすることが全然苦痛じゃない。
またあいつの話が聞きたい!あいつが今何してるのか知りたい!
そう思わせる力はお見事です!

付け加えればBGMをプレイヤーが自由に選択できるようにさせているのも
ウロウロとフィールドを行ったり来たりするのを飽きさせない効果に一役買っています。
BGMの種類も多く、クォリティも素晴らしい!
プレイヤーを飽きさせない、その緻密な計算に驚嘆せずにはいられない!


手放しで評価できない悔しさ

ただ、その一方でこのゲームを純粋に
「神ゲー」として評価しきれない気持ちがあるのも事実です。
そして私は、自身にそうした気持ちがあることを「悔しい」と
心から感じています。

それはひとえに、「このゲーム最大の仕掛け」である
ラストの展開によるところです。

正直なところ、
事前にかなりハードルを上げてラストの展開に臨んだことは否めません。
最終的にロケットを完成させ、飛んで行った先に何があるのか。
このムーンワールドを根本から覆す、
これまでのゲーム内容をすべて伏線として処理しつつ、
思いっきりひっくり返すような驚きがあるに違いない。
なぜならmoonは「伝説のアンチRPG」なのだから!

ですが、私には読めてしまったんです。
moon最大の仕掛けに、引っかからなかった。
最大の仕掛けで、何を選択すべきかが反射的にわかってしまった。
その仕掛けから本来プレイヤーが得られる葛藤や驚きが、微塵もなかったんです。
ぶっちゃけ、エンディングを見て、
これはバッドエンドではないかと思ったくらい。
正直に言って、拍子抜けしてしまったんです。「えっ、これで終わり?」と。

ゲーム内のシナリオの枠を、ゲーム的なお約束を、第四の壁を越えて、
プレイヤー自身が、ゲームのキャラクタが発する言葉から
自身がなすべきことを考え、与えられた選択肢の表層上の意味を超えた、
「通常ならあり得ない選択を選ばせる」という仕組みは
当時画期的だったのだと思います。
それは、プレイヤーに非常に強い印象を与える体験です。
実際に私も、よく似た経験をブレイブリーデフォルトでさせて頂きました。
プレイヤーが考えに考えて、悩みながら「ありえない選択」を選ぶことで
ゲームが正しい方向、あるべき方向に進んでゆくという体験は、
ゲームというジャンルでなければ得難い、独特なカタルシスを提供します。

ただ、当時ならまだしも今はすでに2019年。
同様の仕掛けを用意したゲームは先述のブレイブリーデフォルトを筆頭に
数多く存在しています。
当時の少年少女に大きな衝撃を与えたmoon最大の仕掛けは、
レトロゲーム大好きおじさんになってしまった私には、
あまりにも純粋すぎました。

そう、だからこそ、悔しいんです。
当時このゲームは、間違いなく先進的で、衝撃的で、唯一無二のゲームだった。
当時プレイした少年少女は間違いなく、得難く、他に類を見ない、
語り継ぎたくなるような体験をしたことでしょう!
その少年少女が「他者にも同じ体験をしてもらいたい」と!
他者と感動を分かち合いたいと強く願い続け、布教活動を行ったことで
moonの中古市場における価格は高騰し、
その末にswitchでの復刻となったわけです。

悔しい!うらやましい!俺も!体験!したかった!!!

同じように世界を愛し!世界を救いたいと願い!残酷な結末に頭を抱え!
それでも世界を救いたいと願い!
幾度の失敗の果てに「ありえない選択」を見出し!
そしてそれこそが世界を救う選択だったのだと感動したかった!!!
感動できるゲームなのだということを頭では理解できても、
実際に心が動かなかった、そのことを、非常に悔しく、残念に思います。
マジで。

このmoonというゲームは、
FF7やサガフロンティアにゲームキッズらが心をときめかせていたあの時代、
あの流れの中で発売されたからこそ、当時のプレイヤーに大きな衝撃を与え、
そしてなおかつ、他機種で再販なされなかったがために伝説となったと聞きます。
もう今となっては絶対にかないませんが、もしかなうことなら、
伝説となる前に、moonに出会いたかった。moonをプレイしたかったです。
「ツクール3もいいが、まずお前はmoonをやれ」と言ってやりたい!!!
損してるぞお前!!!




思いのほかmoonを早くクリアしてしまったので、
次にやりたかったロマサガ3リマスターまで少し時間があります!
ということで聖剣伝説コレクション最後のやり残し、聖剣伝説2をやります!!!

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